プロパンガスは都市ガスより高かった! 小田原市に移住した私が行った対処法と、都市ガスとの4つの違いを解説

小田原ライフ

この記事の内容をざっくりいうと

  • 小田原は一部の中心地以外はプロパンガスが主流
  • プロパンガスの単価は都市ガスの数倍高い
  • プロパンガス会社によって料金はピンきり、ぼったくられる場合も

はじめに

光熱費は固定費の一部であり、節約やお得な会社・プランを選ぶ重要性は多くの人が認識しているとおりだろう。
携帯代も格安SIMや格安スマホが普及していたり、電力自由化で従来の電力会社から変更する人も多い。

私が小田原に移住するにあたり、盲点だったのは「ガス代」だ。
水道、電気は東京と同様に利用できているが、ガス代だけは驚かされ、悩まされ、そして多くの労力をかけることになった。
その全貌をお伝えしたい。

ある日届いた請求書。見たことのない金額のガス代

移住して間もない頃、新しい新居でわくわく楽しい新婚生活を送っていた。
我が家は現在、賃貸マンションだ。ガス会社は当然、建物全体で統一された、あるガス会社のプロパンガスで、自身が希望した会社ではない。
ガスの使用量は、当時22㎥だったと思う。

若干2人暮らしの平均より多いくらいだと思うが、東京での都市ガスの料金イメージでいたため、それでも今回5千円もいかないだろうと踏んでいた。

そしてその日は来た。ポストにガス代のお知らせがきている。

ガス使用量22㎥


料金は15,000円程度。

筆者
筆者

は!?!?!?ゼロが多く見える……

いや、目をこすっても間違いなく数字は5桁だ


じゃあ、

筆者
筆者

ガス漏れか!?転居したばかりだから、そんな不備に気づかなかった!
うんうん、急いで管理会社に修繕連絡だ!


いや、使用量は22㎥である……使用量は違和感はない……

ガスは微塵も漏れていなさそうだ。


そして単価欄をみると「580円」との記載。

筆者
筆者

単価がご、ごひゃくはちじゅう……だと……!?!?


錯乱状態になりつつ、東京ガスの単価はいくらだっけとサイトをみたところ、20㎥~の場合でだいたい130~145円くらいの推移だ。

今回のガス代は、東京ガス時代の4倍であった。

基本料金をみてみよう。筆者のLPガスの場合、基本料金1,500円。
東京ガスの場合は1,056円だ。基本料金も高い。

プロパンガスは、ガスの補充のたびにガス屋さんが重そうなボンベを担いで運搬していただいているので、その手間などを考えるときっとコストもかかるんだろうなと思う。

しかし、基本料以外に単価も高いのはとても納得できるものではなかった。

毎月1万5千円て、年間18万、10年間で180万円ですよ。東京ガスだったら45万くらいで済むものが。高すぎて、法外では……?

LPガスと都市ガスの違い

上記のように、非常に高額なガス代に驚愕しつつ、もちろん支払いはした。

しかしどうしても納得行かず、まずはインターネットで、LPガスやプロパンガスの口コミや特徴を検索。すると、以下の4つのような、LPガス・プロパンガスと都市ガスの違いがみえてきた。

  1. ガス会社が価格を自由に決めることができる
  2. プロパンガス会社は原則選べるが、共同住宅や建売住宅の場合は難しい場合あり
  3. ガス会社と不動産オーナーともつながりがある場合もあり
  4. ガスの火力が違うので、コンロもLP専用仕様がある!都市ガス用の利用は不可

1.ガス会社が価格を自由に決めることができる

どうやら都市ガスは法である程度料金のブレがないようになっているらしいのだが、プロパンガスの場合、各業者が自由に価格設定をして問題ないようで、なかなかの無法地帯のようだ。

ただこれにはさすがに国も着目しているようで、「『液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律施行規則の一部を改正する省令』等の制定について」という方針があり、消費者が不信感をもたない料金体系であることがわかるよう液化ガス料金を透明化していく動きもあるようだ。

2.プロパンガス会社は原則選べるが、共同住宅や建売住宅の場合は難しい場合あり

まさに筆者もそうなのだが、マンションやアパートなどの共同住宅の場合は、棟全体で共通のボンベからガスが送られるので、当然そのガス会社の選択権はオーナーや管理会社となり、入居者が自身の居室だけ別のガス会社にするなど物理的に不可能だ。
したがって、筆者の場合は「ガス会社を変える」という選択肢はなかった。
では、一戸建ての場合はどうだろうか?マイホームを建てたなら、ガス会社も自由に選び放題! という発想になりがちだか、ここでも注意点がある。建売住宅だ。

筆者は小田原に移住後に、建売住宅の見学や内見に何度か足を運んだことがある。

そこでガスのことも質問するのだが、想定外の回答が返ってくることが多かった。
ガス会社は指定になります」。

建売住宅まで、プロパンガス会社の呪縛があるとは。どうやら、ガスの配管設備や給湯器が、買い主所有かガス会社所有か、また設置を依頼されているのかどうか、などによって変わってくるようだ。

また、15年契約などの場合があり、建築してガス設備を導入されている以上、買い主がすぐに別のガス会社に変えるのはできない事情があるようなのである。
ただ、集合住宅であれば入居者は容易にガス会社を変えることは出来ないので強気の価格設定になりがちだ。
しかし一戸建てなら、上記の事情をふまえてもガス会社を変更されるリスクはあるため、比較的単価が安くなっており、そこまで懸念となることは少ないようだ。

3.ガス会社と不動産オーナーともつながりがある場合もあり

ガスとは関係ない話になるが、筆者が現在住んでいるマンションを内見した際、エアコン2台とガス給湯器が古い点が気になった。
設備は入居者負担ではないことを知っていたので、管理会社経由でオーナーさんに交渉してもらったところ、二つ返事で新品に入れ替えてもらうことができた。

エアコン2台が新品になり、給湯器やお風呂を沸かすリモコンも新型に変わったので、私としてはお得感を感じながら入居を決めた。

そしてその支援した分のコストは、入居者のガス代に上乗せされて相殺される。
裏にそのようなしくみやつながりがあるとすれば、オーナーさんとしては費用負担せずに、ガス設備を維持運用・入れ替えすることができる。
今回のケースも、結局そのような流れがあったのではないかと思う。
最終的に、お得感を感じながら新品の給湯器を活用できる恩恵は、私のサイフからガス代として拠出されていたのかもしれない……。

4.ガスの火力が違うので、コンロもLP専用仕様がある! 都市ガス用の利用は不可

ガスコンロは後付けであったため、ホームセンターに購入しにいった。

※小田原移住ライフという観点でついでに紹介すると、ガスコンロを購入したのはフレスポ小田原シティーモール内にあるホームセンターのエスポットにて。(https://www.makiya-group.co.jp/espot/


ここで注意があるのだが、利用するガスによってガスコンロの対応製品が異なる。

プロパンガスの場合は「LPG」、都市ガス用のガスコンロなら「12A」または「13A」と表記されているものを選ばないと、正しく利用できない。

高額なガス料金に私が行った対処法

さて、上記のような背景があり、マンションに住んでいる私のガス代が都市ガス時代よりも4倍に膨れ上がっている事情は、わからなくもない。
が、必要以上に搾取されているのはどうも納得がいかない。

そこら辺に売っている卓上コンロのガスを使ったほうが安い気がしてきた。お風呂は沸かさざるを得ないが、一戸建ての親戚や知人宅の風呂を借りるほうが圧倒的に安いのではないだろうか。

さすがに人の家の風呂に入るのは冗談だが……。
しかし、こちらは賃貸マンションの入居者の立場だ。
ただの1戸の入居者がガス会社に相談したところで、相手にもされないのでは。

ガス会社の変更も無理なのを承知で高額なガス料金を設定しているガス会社に対して、私はある1案を準備して、ダメ元で、ガス会社に電話で相談してみた

あくまで、本当に都市ガスの生活から比較して高額なことに驚いていること、ガス単価が高すぎて生活を逼迫していること、料理はIH、風呂は近所の家族や銭湯にでも行ったほうが圧倒的に安いと判断できることを真摯にお伝えした。

しかし、案の定の回答だった。

「輸入価格が高騰している」

「輸送費用や間接コストも高騰している」

「原価自体が高くなっているので、私たちの立場ではどうしようもない」

もしそうなのであれば、ガス原価が安くなったら料金も安くなるのか?と疑問をもちつつも、それは今後聞いていくとして、このままではテンプレの回答をもらうだけになってしまう。

そこで、私は次の案を提示することにした。

困った筆者
困った筆者

このままではなにかと出費も多い新婚生活がどんどん苦しくなるため、ガスは使わない生活も検討しているので、「解約は可能でしょうか


筆者はこう相談したのだ。

ガス会社も変更できず、我慢して高額なガス料金を搾取され続けてしなうなら、解約しよう。
長期契約などもオーナーさんとガス会社であるだろうが、入居者には関係のない話だ。

その後も、本音でコミュニケーションしつつも、もちろんガス会社もビジネスなので
「可能であれば」という前提で、丁寧に交渉を続けた。

その結果。

最終的に、単価が200円以上下がった。

当初利用した22㎥に換算すると、約4,400円/月の値下げだ。
丁寧に感謝をしつつ、ガスの利用料をさらに節約しようと意識が上がった出来事であった。

その後、結局再度値上げされるのでは?

その後は、1年以上とくに値上げされることなく続いていたが、つい先日、書面で「ガスの輸入価格が…」という丁寧な内容が書かれた通知が届いていた。

それが2回ほど続き、当初よりは安いが、結局再度の値上げがあった。

しかし、当時相当相談に時間を割いていただいたり、思ったよりも長く値下げを維持いただいたので、ここはひとまず静観しようと考えている。
ただ、ガスの値上げがあったということは、値下げが可能になる時期が来るのも明白だ。
今後、再度理解できない値上げが生じた場合は、改めてそのような内容も含めて相談してみようと考えている。

まとめ

「プロパンガス」エリアに初めて転居する方は、上記のような背景や料金事情があることを知らない場合があると思い、自身の体験談をもとにまとめてみた。
都市ガスのエリアからプロパンガスのエリアに引っ越しや転居をしようと考えている方の参考になれば嬉しい。

また、東京や横浜などの都市部から小田原に移住を検討している方は、その転居先が都市ガス対応なのか、プロパンガスなのかはしっかり確認をおすすめする。


なお、小田原市においても都市ガスはあり「小田原ガス」が運営している。

公式サイトの料金比較によれば、エリア平均の相場からおおよそ半額程度になることが示されている。ぜひ確認をおすすめする。
ちなみに、ガス代のランニングコストは多少高いが、それでも東京に住んでいたときよりも住居コストは圧倒的に低いので、移住のデメリットにはならないだろう。

ぜひ、他の記事も参考にしつつ、小田原ライフの参考にしていただければ幸いだ。

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